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一般に多い「建築条件付」について

●建築条件付きの土地売買の仕組み
 土地を探して家を建てたいと思っている方が最初に困る問題が、「建築条件付き」の
土地しかないということかと思います。
 「フリープラン」とチラシに書いてあっても、実際には全く異なる歌い文句の
「建築条件付き」と同じ事です。
 では、なぜ建築条件付きの土地が多いのかと言うと、不動産業者さんが土地だけを
売っても利益が少ないからだと考えられます。

 土地の価格は路線価によっておおよそ相場が決まっているので、あまり価格の
上乗せはできません。
したがって、仲介手数料としての法定手数料しか入りません。
 一般的に考えると十分すぎるほどの「手数料」かと思いますが、不動産屋さんも
「業」として営業しているので色々と経費が必要なのでしょうが・・。
そこで不動産屋さんは、土地に建物をつけて利益を+@しようと生み出したのが
最近多く見られる「建築条件付き」での販売方法です。
(本来、建築条件付きの土地取引は、あくまでも土地の取引であって、建物の工事価格
を合算して仲介手数料を得ることは違法です。)
 ですが、実態としては、契約書を一本化することを勧められて買主が支払ってしまう
ケースが多いようです。
 また、不動産会社が自社で建築を請け負う場合は、工事請負契約金額の中で諸経費
という形で多額の利益を生むことが出来ます。
(買主に渡される工事内訳書はどんぶり勘定なので、その中身は眉唾ものです)
 工事会社を紹介する場合でも、そこには多くの場合リベートという構図が存在し利益を
生むことができます。 →当然、その負担は買い手にまわってきます。

 さらに、売主側(不動産側)の事情として、短期譲渡税を回避しなければならない事情
があります。
 土地の短期譲渡には、高い税率が適用されることになっているのですが、特例として
3ヶ月程度で工事契約が成立する場合は、税が回避されるということになっています。
 「建築条件付き」の土地が、その条件として「3ヶ月以内に工事契約を結ぶ」としている
のは、そのためなのです。(下部の補足も参照ください)

 土地に建築条件を付けて売る土地が多いのも、当然のことだとお分かり頂けると
思います。 まさに買い手を騙すような手口を使う業者さんが多いのも事実ですし
そこにしがみついて仕事を得ようとする建築屋が多数な事で、このシステムが横行
しているといって良いでしょう。

 手間なく家を「買う」ことができるというメリットもありますので、「建築条件付き」の
土地を購入する選択肢を否定するつもりはありません。
 しかし自分のライフスタイルにあった家を「創りたい」と思う方には困った仕組みです。
そのような方には、次のような土地の探し方をお勧めします。
①古家付きの土地(建物代はほとんど原価償却されている場合)を探す。
②地元の不動産屋さんに早めに情報を回してもらうように頼む。
③建築条件付きの土地の「条件」を外してもらう交渉をする。
 →最近は販売価格に+@の金額を支払う事で、条件をはずす事もあるようです。
 土地探しは、なかなかエネルギーのいることですが、高い買い物ですのでじっくりと
慎重にご検討していただきたいです。諦めない事が夢の実現への第1歩だと思います。

●建築条件付き 補足 (参照webサイト:「All About」 より )
 「建築条件付土地取引」 に関しては、2003年 (平成15年) 4月10日付、社団法人
首都圏不動産公正取引協議会による構成団体長宛通知、および7月23日付
「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」 の改正により、次のように取り扱わ
れることとなりました。
・建築工事請負契約の締結期限には期限を設けず、当事者 (土地売主と買主) の
 自由意志による。 (従来は3か月を条件化されているのが当たり前でした)
・建築工事請負業者に制限を設けず、当事者の取り決めによる。
  (従来は売主やその代理人に限定されていました)

 したがって今後は、土地の売買契約締結後6か月以内、1年以内、3年以内などの
請負契約締結を条件とすることも可能です。
 また請負業者についても、 「売主」 「売主指定の業者」 「売主が指定する数社の中
から選択」 「買主の自由選択」 などのパターンが考えられ、いずれの場合も土地売買
契約時の当事者間における取り決めに委ねられることになります
(広告段階で条件提示されるケースが多くなるかと思います) 。
 なお若干専門的なことになりますが、条件については 「 停止条件 」 であるか
「 解除条件 」 であるかを問わないことになっています。

 また、このような土地の広告や契約をするにあたり、売主や 媒介 をする 不動産業者
は、「取引の対象が土地であること、条件の内容、条件が成就しなかったときの措置
の内容」 などを明記しなければなりません。
 当事者の自由意志による部分が多くなったとはいえ、建築条件付土地売買にあたっ
ては 「取引の実質的内容がユーザーの積極的な注文・指示による建物の建築請負
契約」 であることが大前提であることに変わりはありません。
 したがって、次のような場合は 「広告開始時期の制限」 などに照らし合わせ、
不動産業者の違反行為とみなされるおそれが強いもの (あるいは完全な違反行為)
ですから注意が必要です。
・土地の売買契約と建物の請負契約を同時に行なうもの
・建物協議期間が短く (3か月未満) 、事実上建物の内容や価格等があらかじめほぼ
 確定しているとみなされるもの
・建物の設計が完了していつでも建築確認申請できるような状態で、土地販売の広告
 や売買契約を行なうもの
・セレクトプランなどで、選択の余地が少なく実質的にユーザー意向が反映されないもの

→ですが、現状は以前の環境と全く変わっていないようです。

●対策と提案
先に任せられる建築デザイナーとタッグを組んで、不動産屋さんと真剣に話しをする
事で解決を図るのはどうでしょうか。
日ごろから建築に携わる我々は、常日ごろから様々な交渉ごとを踏んでいます。
不動産屋さんのゴリ押しとも思える営業に屈する事は無いです。
タッグを組んで向き合えば、何らかの打開策が生まれる可能性もあろうかと思います。
また、土地情報についての解読などは専門分野なので、買ってからのトラブルも
最大限に防ぐ事が出来るでしょう。

ア・ポイント デザイン オフィシャルホームページ

長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
(たまにはお仕事系の事が載るのも良いでしょうか・・。食べ物ネタばかりですし・・)

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Tracked on December 04, 2006 02:30 PM

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